一般企業の経営が財政的に立ち行かなくなった場合には、幾つかの手法があります。主だったものは以下のようなものでしょう。
1.破産
2.民事再生
3.救済合併
4.自主再建
「破産」の場合には、破産管財人(通常は弁護士)が指名されて債務を整理し、法人を解散することになります。社会福祉法人でも、資金繰りが回らずに破綻すれば、破産となりますが、この場合は大きな社会問題になる可能性があります。債権者に対する対応は勿論、施設の利用者(高齢者、障害者、児童など)や職員、地域の関係者など多くの人々に迷惑をかけ、社会的な混乱を招く恐れもあります。
なお、株式会社などでは一般的な「会社更生法」は、対象が株式会社に限定されているので、社会福祉法人には適用されません。
「民事再生」の場合には、法人が裁判所に民事再生を申し立て、裁判所が指名した監督委員が手続きを監督しますが、実際に現場で作業をするのは法人側の弁護士などです。
債権者に対しては債務の圧縮などの大きな影響を及ぼすことになりますが、法人が運営する施設の利用者や職員に対する影響は、破産に比べて小さくすることが可能です。
運営している事業は同じ法人が継続する、つまり、法人自体を存続させる場合と、事業は他の社会福祉法人に引き継ぐ場合の二通りが考えられます。
「救済合併」は、別の法人が当該法人を吸収合併することですが、社会福祉法人の場合にも合併は可能です。この場合は施設などの運営法人が変更となりますが、利用者や職員などに対する影響は小さいと思われます。但し、救済する側の法人にとっては財務的な負担が増えることになりますので、救済する側の法人の規模が救済される側の法人に比べてかなり大きく、財政的にも余裕がある、ということが必要条件となるでしょう。
「自主再建」は、法人が債権者などと話し合って自主的に財政再建をすることですが、債務者側と債権者側との話し合いで債務圧縮が可能な場合に限定されるでしょう。
利用者、地域社会などへの影響の小さい順に並べると、4>3>2>1となるでしょう。
ですから、なるべく自主再建できる状態で経営者が決断し、再建に向けて動き出すべきなのでしょうが、往々にして最後の最後まで決断できずに状況を悪化させ、已むを得ず1~3の何れかになることもあるようです。
社会福祉事業を運営している「社会福祉法人」の場合には、「破産」「民事再生」を最終的に選択するケースは少ないのですが、全く例が無いわけではありません。
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